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2009年 12月 08日
更新が滞りました。
忙しい忙しいといいながらも 今日ばかりはと、とても楽しみにしていた芝居。 仕事の合間の時間をぬって 久しぶりに歌舞伎座・夜の部へと行って参りました。 お目当ての演目は、6年前の初演を見のがした「野田版 鼠小僧」。 いやぁ〜・・せつない話。。 中盤から後半に向かって疾走してゆく物語は 野田秀樹節健在!という感じでした。 もしかしたらこれを歌舞伎と呼んでいいのか、 という人もいるかもしれないけれど、 個人的には平成の新作歌舞伎としてありだと思いました。 歌舞伎を古典芸能とするだけでなく、 本来の大衆演劇という視点からみたとすれば、ね。 それからとてもココロを揺さぶられた舞台だったというのも事実。 野田秀樹の芝居らしく(?)話が入り組んでいて あらすじを追うのも一苦労なのですが、 それでもかいつまんで思い出してみようと思います・・・。 (台詞などそっくりそのまま覚えているわけではないので 覚えている限りのニュアンスで書いてみますが、お許しを。) **************************** 棺桶屋の三太はとにかく「この世は金」という男。 ケチくさく、しつこく、人様に金をせびってせしめて生きて来た男。 『人様に慈悲をかけると死んでしまう体質なの。』なんておちゃらけて 自分さえ良ければよい。人への思いやりなんてかけらも無い男。 三太には、堅実にひと財産を築いた兄が居り、 その兄が亡くなった折、 その遺言書には、遺産は縁も所縁もない與吉という男に まるまる譲ると書かれていた。 この與吉という男、町人たちの評判はすこぶる良く、 人を気づかい優しく物腰柔らかな非の打ち所のない人物。 三太はこの理不尽な遺産相続が悔しくて仕方がない。 そこで思い付く。 『そうだ、遺産が與吉に譲られるより先に 兄貴の屋敷にしのびこんで、その財産を盗んでしまえ』。 しかしふとした手違いから忍び込んだ屋敷にて、 実は例の遺言書は與吉がでっちあげた 真っ赤なニセモノだという事実を盗み聞いてしまう。 與吉こそが実は悪党、まんまと騙したタヌキだったという訳だ。 そうこうするうち三太は、 この忍び込んだ屋敷の蔵の年老いた番人・惣兵衛に見つかってしまい それをごまかす為『自分は義賊の鼠小僧だ』とでまかせで名乗ってしまう。 そうと聞いた惣兵衛は鼠小僧に懇願します。 『自分を倒してこの蔵の中の千両箱を持っていって良いから どうか自分の孫にその金をくれてやってくれ』と。 この年老いた番人には息子が居たが、その息子がろくでなし。 息子は、どこぞの女に産ませた自分の子供を残して今は消息不明。 惣兵衛は不憫なその孫をひきとり、 蔵の番人をしながら貧しい生活のなか孫を育てていたのでした。 もちろん鼠小僧なんかじゃない三太は そんな頼みは適当に断わろうとしますが、 揉み合っている内に惣兵衛が自ら転んで頭を打って気絶。 これ幸いと三太は千両箱をまんまとせしめて屋根伝いに帰る道々、 ころげて千両箱を屋根の上からばらまいてしまいます。 まかれた小判に町人は大喜び。 鼠小僧の仕業だ、鼠小僧は本当に居たのだと町中のウワサに。 目明かしの清吉は 義賊とはいえ盗人である鼠小僧を捕らえようとやっきになります。 せっかく盗んだ千両箱をばらまいてしまった三太は またしても悔しくて仕方がない。 ばらまいた分のお金を取り戻そうと、 夜な夜な町中の家に忍び入み小銭稼ぎ(盗み)に精を出す様になります。 そんな折、 両手を天に差し伸べ空ばかりみている少年に出会う三太。 何故にそんな妙なことをしているのか訪ねると、 『じいちゃんが、鼠小僧がそのうち天から小判を ざくざく降らせてくれると言うから待っているんだ。』という。 その少年こそは惣兵衛の孫。 そして惣兵衛はあの後牢に入れられていたというのを知るのでした。 さて場面変わって、町でも身持ちが固いと評判の後家のお高。 夫が亡くなってから7年間というもの 亡き夫だけを想い続けて慎ましく暮らしているという。 ある晩そのお高の屋敷が留守だと思い、 いつものように小銭を盗みに忍び込んだ三太。 ところがお高は在宅。 おまけに與吉が訪ねて来た。 あわてて隠れた三太がここで盗み聞いたのは驚く話。 與吉はでっちあげの遺言書で受け継いだ遺産を このお高の屋敷に隠し預けていた。 三太はその遺産の入った千両箱をみつけて頂く事にする。 実はお高と與吉は愛人関係にあり、2人の間に子供も生まれたのだか 生まれてすぐにその子は捨てた、という。 つまりニ人が捨てた子供というのは惣兵衛の孫。 與吉は、あの両手を天に差し伸べ空ばかりみている少年の 実の父親だったのだ。 そんな話しを隠れ聞く内に、またもお高の屋敷へ訪問者がやってくる。 大岡越前守忠相だ。 お高は大岡越前守忠相の妾でもあったのだった。 慌てて與吉を押し入れに隠すお高。 大岡越前守忠相曰く、蔵の番人の惣兵衛は無実だったとわかっていたが、 その蔵の家主・権力者である稲毛から圧力をかけられ、圧力にまけて首をはねたという。 隠れていた三太は惣兵衛の死にショックを受けるが、 まずこの屋敷を抜け出そうと女中に化けるも すんでのところでその変装はばれてしまい、 追っ手をつけられる。 三太はとりもどした遺産の千両箱を抱え、追っ手に追われながら 屋根づたいに逃げるうち、また例の少年に出会う。 またしても両手を天に差し伸べ空ばっかりみている。 金にうるさくケチに生きて来た三太。 祖父が殺された事をまだ知らないこの少年に 金をめぐんでやる言われは無い。 『器が人を育てると言うが・・おれは鼠小僧になって このガキに小判を施すのか? ほんとかよ・・』 ケチな三太はもったいないもったいないという気持ちを持ちながらも やっとこ千両箱から取り出した小判一枚を少年に渡そうとする。 が、『こんなはした金いらないや! じいちゃんは、鼠小僧ならざくざくと天から小判を 降らせてくれるって言ったんだから!』と頑として受け取らない。 それをみた三太、『おまえのじいさんはもう戻って来ないよ。 それに鼠小僧だって来やしないんだよ。』と諭すが、聞かない。 少年はじいちゃんが話してくれた鼠小僧像をかたくなに信じている。 そうこうする内、目明かしの清吉が率いる 追っ手に追い付かれとうとう捕まってしまう三太。 捕らえられながら少年に向かって三太が曰く、 『わかったよ、わかった。そんなら小判をざくざく降らせてやるよ。 だが今夜おれは忙しくなりそうだ。 明日の夜、必ず降らせてやるからな。』 と約束して連行されて行く。 屋根の上には三太が捕らえられた時に落とした千両箱が残っていた。。 さて、お白州の場面。 裁くは大岡越前守忠相。 大岡越前守忠相は三太に耳打ち、 『お高との仲をばらすようなら、 お前の裁きがどうなるか分かっているな。』と、脅す。 そんなことは知らない町人たちは、 慈悲深いと評判の大岡裁きを見物に来ている。 鼠小僧とうわさの男が捕らえられたとあっては尚更、 群集の興味は掻き立てられる。 群集は鼠小僧をスーパーヒーローだと思っているから、 三太が鼠小僧だとしたらよくやった、と褒めちぎる。 でも三太がもし鼠小僧ではなくケチな棺桶屋なら やじを飛ばして誰も彼を褒めたりはしない。 たとえ三太が真実を言ったとしても。 三太は、お白州での裁きが進む中で、 與吉とお高が恋仲であること、 そして2人が捨てた子供がいる事を告げるが、 善人で通している與吉と後家の鏡とうたわれているお高の事、 だれも三太の言うことを信じない。 人はみかけで判断できない、 いや、結局人はみかけで判断するのだ。。 鼠小僧人気がいささか気に入らない大岡越前。 三太をおとしめる為、そしてお高が自分の妾だという事をばらされない為に、 『自分は鼠小僧では無いと言え。 そして與吉とお高に嘘をついていましたと 土下座して謝まれば無罪放免だ』と勧める。 そうすれば鼠小僧の罪をお前がかぶる事はなくなる、と。 そもそも自分は鼠小僧なんて柄では無いと思っている三太の事、 嘘なんてつき慣れているし、 お綺麗に生きて来た訳じゃ無い。 土下座で謝るくらいで無罪放免なら、と、 まずは大岡越前にお騒がせしましたと謝り、 お高に、與吉と恋仲だなどと嘘を尽きましたと謝り、 そして最後に與吉に土下座する。 謝られた與吉曰く、 『おれに汚ねぇガキが居るなんざトンでもねえ嘘いいやがって』。 この言葉。 あの両手を天に差し伸べ空ばかりみている少年のことを知っている三太には どうしても聞き逃せなかった。 大人たちの都合で祖父をも殺されたあの少年・・。 この言葉が三太はどうしても許せなかった。 『與吉、お前にガキなんて居ないって言うのか? あのガキが生まれて無いって言うのか? この世に存在しないモンだっていうのか?』 そして群集に向かい言い放つ。 『みんな鼠小僧のいうことなら本当のことだと信じるんだろう?! そんなら言うが鼠小僧は俺だ。 與吉とお高が恋仲だというのも本当だ。 そしてさらにお高はそこにいる大岡越前守忠相の妾でもあるんだ。 無実の惣兵衛の首を打ったのも大岡越前守忠相だ。 鼠小僧のいうことなら本当のことだと信じるんだろう?』 もうなにもかも。 三太は捕らえられ、 大岡越前に始末をまかされた目明かしの清吉に斬り掛かられる。 深手を負いつつ『今日は何日だ?』と聞く三太。 『師走の24日だ。それがなんだ?』と清吉。 『24日、今夜の三太には大仕事があるんだ!!』 深手を負い雪の上に点々を血痕を残しながら決死の思いで清吉から逃げ切る。 しかし雪の上の赤い染みは、いとも容易く跡を追う清吉に三太の居所を知らせる。 とある民家の屋根の上。 昨夜あの千両箱を置き忘れた場所。 千両箱の中身はすでにお高が使い込み、わずかになってしまっていた。 後ろから斬り掛かる清吉。 ばらまかれる小判。 『人に慈悲をかけたら死んでしまう体質なんだよ、俺。 本当にそうなったな。 やい、少年。 俺は屋根の上から見守っているからな。 必ずお前を誰かがいつも屋根の上から見守っている。 その事だけは忘れるな・・・・』 そうして事切れる三太。 屋根の上から降った小判はほんの少し。 夜が明け、少年が現れる。 『なんだ。こんな少しの小判じゃなんにも買えやしない。 ・・でも今日はなんだか気分がいいや。』 拍子木(チョン チョン チョン チョン チョン チョンチョン・・・・幕) ******************************************** かいつまんで思い出してみてこの長文。 入り組んでいるけれど本当にとても良くで来た、沢山笑って、そしてあの終焉。 心のふるえる芝居でした。 こんな風にしかお伝えできない自分がもどかしい限りです。 不思議な浄化感となんともせつない気持ちを抱いて 劇場を後にしたのでありました。。 野田版 『鼠小僧』(のだばんねずみこぞう) 配役: 棺桶屋三太 勘三郎 お高 福 助 與吉 橋之助 大岡妻りよ 孝太郎 稲葉幸蔵 染五郎 目明しの清吉 勘太郎 おしな 七之助 さん太 宜 生 與惣兵衛 井之上隆志 凧蔵 猿 弥 辺見勢左衛門 亀 蔵 独楽太 市 蔵 番頭藤太郎 彌十郎 おらん 扇 雀 大岡忠相 三津五郎
by MAJO_ceramica
| 2009-12-08 23:34
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